公認会計士 中澤省一郎の SS 経営メールマガジン

2021    6 月16日配信

 昨日(6/15)にWeb中澤塾を開催しました。

  テーマ 「元売 3 社比較から見る石油業界の将来展望」

でした。

 短い一般公開用は

中澤公認会計士事務所(公認会計士・税理士・不動産鑑定士補・SS経営アドバイザー:中澤省一郎)のホームページです。 (nakazawa-cpa.net)

で公開しています。

6月3日(木)は、緊急開催Web中澤塾でした。

  テーマ「 元売決算公表: 業界再編必須?

       各社低収益化顕著: 台風の目は 出光

こちらは、 レジメにかけなかったことばかり解説 しています。

<5/12以降、今日までの 会員限定メルマガの一部 です。>

6/16  元売3社比較表1:在庫評価損益と配当等

6/14   ENEOS: 収益力が劇的に悪化している!

6/11  コスモだけ:コロナでも中計見直しせず!

6/10  Eneos:在庫評価が理解できません。 +3000 億円のハイブリッド社債発行

6/9  要注意: WTI 高、ドバイ安になってます!

6/9   2 年合計で在庫評価損が ENEOS も大きすぎます!

6/8  コロナ減少の回復は2024年・今はじっくりと利益確保作戦だが、便乗も登場か

6/4  株式交換で発行した価額を自己株取得できるようになるのです!

6/3    小型商用車も電動化!+合成ガス

6/3  実態は、過大配当による株価維持!・・・在庫評価損は 500 億円?の過大計上

5/31   出光中計の下方修正の真実!

5/28  出光困った!:富士石油の株価が 37 %高、旧村上系ファンドが大量保有報告書を提出

5/27  出光の株主還元は99%!続けられません・・・投資できません

5/24  出光はシェル SS 1SS 平均 4200 万円で SS を買っていた!

5/20  出光は、 4200 億円の実質的な減資(資本準備金の振替)

5/17  金欠出光、アポロステーションと幕板・・仮設が正しいと、「なるほど」です。

5/13  売上増加分の売上高利益率は出光 103 %、 Eneos16

5/13  出光の在庫評価を除く営業利益利率 103 %の怪

5/12  出光決算:原油$1の評価損益 前期 24 億、今期 3 億、 2 年で 90 億、公表 50




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<Web中澤塾>

 原則 毎月第2火曜日 14:30~2,3時間です。(Web懇談会含みます。)

 6/3のような緊急開催も随時やってます。

 今後の開催予定

       7/13 ( )   8/10 (火) 9/14 (火) 10/13 (水) 11/9 (火)


10/13( 水)第水曜日です。   )    


 Web中澤塾  Liveではチャットで質問できます。

   引き続き Web懇談会開催・・・Zoomで双方向で口頭で質問できます。


ーーENEOS収益力悪化:在庫評価損除く営業利益は増益⇒中計は減額修正ーー

中計の公表は、出光 2019.11 、コスモ 2018.3 なので、コロナ前 です。

   したがって、コロナの影響で見直しなら合点が行きます。

一方、 Eneos  は、中計の公表が 2020.5 でして、コロナの影響で最も販売数量の減少があった時期です。

 このため、コロナの影響は、 2020.4—9 6 か月存在し、それ以降は影響ないという前提で、中計を公表したのは理解できます。

 

 しかし、 結果として、 2020.4—3 12 か月の内、全月に渡りコロナの影響 が出たというのは、当然です。

 

  コロナの影響が 6 か月 ⇒12 か月に拡大したのだから、減益なら「納得」 ですよね・・・・

 しかし、 Eneos の公表は

 

コロナの影響は  修正前  2020.4~2020.9  までの 6 か月

         修正後  2020.4~2021.3  までの 12 か月

なのですが

             修正前中計          決算(実績)

2020.4~2021.3 1 年間)

在庫評価を除く営業利益    1650 億円 505 億円の増益 2155 億円

 

  今期と来期  2 年間)   修正前中計             修正後の中計

在庫評価を除く営業利益      8050 億円 △2605 億円の 減益 ⇒5445 億円

 

減益修正の内訳ですが・・・

(減益要因)

新型コロナを 主因とする影響  ▲5,000 億円  

(増益要因)

コスト削減         + 900 億円  

銅価前提          + 1,000 億円  

国内製品市況、他       + 1,000 億円

(合計)           ▲2,100 億円

コロナの影響は漸減します。

コスト削減は漸増します。

銅貨前提と国内製品市況は均等に発生します。

 

この仮定で増益要因と減益要因を 3 年間に割り振ると

         2021.3     2022.3      2023.3   合計

コロナ      △2500     △1500      △1000   △5000

コスト削減     200                            300       400     +900

銅貨前提      400       300                          300     +1000

国内製品市況等   400       300       300     +1000

 小計      △1500      △600      ± 0    △2100

程度が合理的な数字です。

 

<私の推定>

ー昨年 1 年間ー

おそらく 在庫評価損益の計算を間違えた 会計基準もありませんし、監査対象でもないので、会計上、監査上の問題は発生しません。  

今後の 2 年間ー

 減益幅が ▲600 億円 ⇒▲2600 億円に拡大

 つまり 2 年で 2000 億円、年平均1000億円の収益力が悪化 している

と考えられます。 (在庫評価損益が正しいという前提です。)

 

<コロナの影響か?「脱炭素」の加速が影響か?>

出光 「脱炭素」

コスモ 「コロナの影響は軽微」

としています。

Eneos のみ は「コロナの影響」

 

でも、公表は「在庫評価を除く営業利益」は 505 億円の増益になっていて

2021.4—2023.3 2 年間で  2,605 億円の減益になっているのです。

 

,

< 本当の基礎的収益力は大幅悪化>

公表では、今年の「在庫評価を除く営業利益」 2,155 億円がベースですが・・・・

 この中には、「在庫評価益」が誤算入されていると推測されることから

基礎的収益力は 1000 億円台程度に「収益力の大幅悪化」になっている

と想像されます。あくまで私の想像にすぎませんから・・・・・

 

原因は「脱炭素の加速」 だと推定しています>

私は、常々・・・・ ENEOS だけ、どうして「 Long 」でも黒字なのだろうか?

を考えてました。

  出光: Long   ⇒ショート⇒Long  で

      赤字基調 ⇒黒字基調⇒赤字基調   です。


  コスモ Long   ⇒  ショート

     赤字基調  ⇒  黒字基調

です。


Eneos だけが、ずーーーと Longなのに、大幅黒字なのです。

 それこそ、企業としての基盤が違う と言えば、それまでですが・・・


Eneosの強い基盤とは、推測ですが

業用エネルギー、石化原料の供給」が、他の元売に比べて多い

のが、その原因ではないか?思います。

<石化原料の供給>

 は、今後とも収益の柱になると想像していますが、他の元売との兼ね合いから

 大幅に増加するとは考えにくい。

  また、納入価格は、シンガポールの価格が基準になってますので・・・・

<産業用エネルギー>

 この部分は、「脱炭素」の影響を一番受けると推定されます。

 日本の産業は「輸出産業」中心ですので、「カーボンゼロ」エネルギーへのシフトが早いです。(ガソリン等の民生用は、なだらかです。)

  Eneos が「コロナの影響」としている「 3 年間 5000 億円」は、実は、大半が「脱炭素の加速 によるものであるのでは、と、推定されます。

(仮に、コロナの影響がEneosだけ大きく、かつ、「脱炭素の加速」が上乗せになると考えるとーーーーー想像したくありません。)

・コロナ解消後の収益悪化は継続して、悪化する。=「脱炭素の加速」

・コスト削減を加速しなければならない。=製油所廃止の加速

                      +

                     人員削減の加速

その上で、業態転換のための継続的投資

です。


 今後、石油業界の周辺業界でも業界再編が加速するものと推測しています。

既に、一部の業界では、業界再編が始まっていると考えています。

 近い内に、配信できるようになると思いますので・・・・


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公認会計士・税理士 中澤省一郎

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