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10月も後半に入り、朝夕はかなり涼しくなりましたが、日中はとても暑く、寒暖差にやられてしまいそうです。
インフルエンザも増えているようです。みなさん、お気をつけてください。

さて、9月末の中国新聞に、気になる記事が掲載されました。

「尾道市、5年間で36億円の財源不足」

この記事をご覧になって、「尾道、大丈夫なの?」「いったいどうなっているの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

私自身、これまでも大型公共事業、いわゆる「ハコモノ行政」について疑問を呈してきましたが、
改めて尾道の財政状況に強い危機感を覚えました。

今回は、尾道市の財政の現状と、私が考えるこれからの自治体経営について、お伝えしたいと思います。

<目次>
1.かめだ年保の論考
2.編集後記


1.かめだ年保の論考

■ 5年間で36億円の財源不足

今回の報道のもとになったのは、尾道市が8月に公表した「財政運営見通し」です。

それによると、2026年度から2030年度までの5年間で、合計36億1千万円の財源不足が見込まれています。

大きな要因の一つが、公共施設の建設などにかかる費用です。

今年度は、尾道みなと小・中学校の校舎新築工事や御調文化会館の建設など、大型事業が重なっています。

さらに今後は、ごみ処理施設や、し尿処理施設など、市民生活に欠かせない施設の更新も控えています。

今の財政見通しだけで、将来の負担をすべて見通せているわけではありません。


■ 大きな事業にはお金があるのに、市民の要望には……

先日、市民の方から、こんなお話を伺いました。

「カーブミラーを設置してほしいとお願いしているのに、もう1年以上待っているんです」

私は日頃、市内を歩きながら、多くの皆さんの声を聞いています。

道路の補修、側溝のふた、交通安全対策、高齢者の移動手段など、暮らしに直結する切実な要望です。
ところが、「市役所に相談したけれど、予算がないと言われた」という話を、何度も耳にします。

何十億円もの大型事業が進む一方で、市民の安全や日々の暮らしを守るための身近な要望が、なかなか実現しない。
私は、ここを変えたいのです。

行政の役割は、身の丈に合っていない立派な建物を次々つくることではなく、
市民の皆さんの暮らしを守り、より良くしていくことにあるはずです。

限られた予算を何に使うのか。
今こそ、その優先順位を見直す必要があると考えています。


■ 「お金がない」で終わらせない自治体経営へ

尾道市の財政運営見通しでは、今後の対応として、投資的経費の抑制や、国・県の補助金、有利な地方債の活用などが挙げられています。

もちろん、無駄な支出を減らし、使える制度を活用することは必要です。
しかし、それだけでよいのでしょうか。

人口減少が続く中、税収の大幅な増加は簡単には期待できません。

だからこそ、私は発想を変える必要があると思っています。
「財源がないから、できない」ではなく、「どうすれば、新しい財源をつくれるのか」へ。

これまでのハコモノ中心の行政から脱却し、民間の知恵や地域の力を生かして、尾道の経営そのものを変えていきたいのです。


■ ふるさと納税には、大きな可能性がある

税収を増やすためには、企業活動を後押しし、雇用を生み、地域経済を活性化させる必要があります。
そのために、行政ができることとして産業団地の整備や、規制緩和などがあげられます。

しかしながら、尾道市ではこの20年、産業団地を作ってきませんでした。
東広島市をはじめ、福山市、三原市などの近隣市では、力を入れて成果を上げてきた部分です。

もちろん、こうした取り組みには時間と調整が必要で、成果が出るまでには数年かかることもあります。
だからこそ、中長期的な施策と並行して、今すぐ着手できる財源確保策にも取り組む必要があります。

その「具体策の一つ」が、ふるさと納税です。

尾道市の2025年度のふるさと納税寄付額は、約6億円。
この数字は決して満足のいくものではありません。

一方、宮崎県都城市の寄付額は約216億円に上り、尾道市を大きく上回っています。

都城市では、ふるさと納税を重要な財源として活用し
保育料の負担軽減や子どもの医療費支援、不妊治療への助成、移住支援など
さまざまな施策を進めています。

また、お隣の三原市も、ふるさと納税に力を入れています。
2024年度の約3.9億円から、2025年度には約5.8億円へ。

わずか1年間で約2億円も寄付額を伸ばし、尾道市とほぼ並ぶ水準になりました。
私は、お隣の三原市にできて、尾道市にできないはずがないと思っています。

尾道には、すでに全国的に有名な、尾道ラーメンや柑橘などがありますが、
まだ返礼品として活用できていない地域資源がありますし、
寄付額を伸ばすためのマーケティングの工夫も足りないと感じています。

また、リアルな商品だけでなく、体験型の返礼品(コト消費型の商品)の開発にも取り組むべきです。

そして何より、全国に「尾道が好きだ」と思ってくださる方々、つまり顧客予備軍が大勢いらっしゃいます。
これほど豊かな地域資源を持つまちは、そう多くありません。

尾道には、まだまだ伸びしろがあるのです。


■ 稼いだ財源を、市民の暮らしに還元する

ただし、ふるさと納税の寄付額を増やすこと自体が目的ではありません。
大切なのは、そこから生まれた財源を、何に使うかです。

私は、子ども・子育て支援、不妊治療への助成、高齢者の移動支援、地域医療の充実、道路や交通インフラの整備、しまなみ海道を生活道路として利用する市民の負担軽減、そして深刻化する鳥獣害対策などに活用していきたいと考えています。

さらに、ふるさと納税を通じて尾道の商品やサービスが全国に広がれば、地域の事業者の売上増加にもつながります。

地域の事業者が元気になり、雇用が生まれ、地域経済が活性化する。
そして、そこで生まれた財源を、市民の暮らしと尾道の未来に再投資する。

そんな好循環をつくりたいのです。


■ 尾道を、あきらめない。

「お金がないから、できない」
「人口が減っているから、仕方がない」

そんな言葉で、尾道の未来をあきらめたくありません。
必要な支出はしっかり見極め、無駄な支出は減らす。
そして、新たな財源を生み出す努力をする。
その両方が、これからの自治体経営には必要です。

「お金がないから、できない尾道」から、「稼いで、未来に投資できる尾道」へ。
私が目指しているのは、市民の皆さんが安心して暮らし、子どもたちが希望を持てる尾道です。

これからも、皆さんと一緒に、尾道の未来を考えていきたいと思います。



2.編集後記

■ 自治体にも「経営力」が問われる時代

「自治体経営」という言葉をよく耳にするようになりました。

高度経済成長、人口増加の時代と、人口減少が進む現代とでは、自治体のあり方も大きく変わってきたと感じています。

かつては、国からの地方交付税や補助金などを活用し、予算をいかに配分し、執行するかが行政運営の中心でした。

また、有利な地方債を活用して、公共施設、いわゆる「ハコモノ」を整備することも進められてきました。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

ハコモノは、建てて終わりではありません。
維持管理費がかかり、老朽化すれば改修費、将来的には解体費も必要になります。
こうした費用は、長年にわたり自治体の財政を圧迫することになりかねません。

一方、人口減少や財政負担の増大を見据え、自ら財源を生み出す取り組みに力を入れる自治体も増えています。

その手法の一つが先に述べた「ふるさと納税」や、公共施設の命名権を企業などに販売する「ネーミングライツ」です。
これらは、比較的早く着手でき、工夫次第で成果につなげられます。

まさに今、自治体にも民間と同じく「経営力」が問われる時代になったのだと思います。

行政の舵取り一つで、市民サービスや地域の活力に差が生まれ、自治体間の格差がますます広がっていく。
そんな時代になりつつあります。

我が尾道市も、財政が厳しい局面を迎えています。

だからこそ、これまでの行政運営の延長線上ではなく、発想そのものを変えなければなりません。

「予算を使う行政」から、「財源を生み出す行政」へ。

尾道が持つ魅力や可能性を最大限に生かし、自ら「稼ぐ力」を高めていく。

そして、生み出した財源を、市民の暮らしと未来のために使っていく。

今の尾道には、そんな新しい発想と、「新しい風」が必要だと強く感じています。

皆さんは、これからの尾道の自治体経営について、どのようにお考えでしょうか。

さまざまなご意見があると思います。
ぜひ、皆さんのお声をお聞かせください。



発行:かめだ年保後援会

〒722-0013 尾道市日比崎町19-15
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