こんにちは。
アンティックかとうWEB担当の杉本です。

アンティックかとう / ギャルリーオルフェより新着品のご紹介や催事のお知らせをお届けいたします。

 

今号ではエミール・ガレのユニークピースから19世紀に一世を風靡した「ウランガラス」についてご紹介いたします。

秘密のウランガラス

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エミール・ガレ|花に昆虫文花器 1890年頃
※WEB未掲載品

 

こちらのガレ作品。高さ8㎝と小さな湯呑のような印象の花瓶です。分厚いガラスを酸で腐食させて絵を浮き彫りにし、さらにエナメルで彩色されている、小品ながらもかなり手の込んだユニークピースです。花や昆虫は他に類を見ない描き方で、ガレ初期のころの作と思われます。そして何より特徴的なのはガラスの色。光の当たり具合によっては琥珀色から黄緑色のペリドットのような明るさも併せ持つ不思議な色をしているんです。

 

いったいこのガラスは・・・?

ブラックライトをあてると正体を現しますよ。

 

 

あやしげなグリーン。紫外線を浴びると蛍光色に光りました。

この光の源は何なのか!?
答えはこちら。

▽ ▽ ▽ ▽

 

ウラン鉱石(写真は岡山県鏡野町上斎原村人形峠鉱山から産出したもの。暗所で紫外線を当てると黄緑色に発光する。)

 

時は遡ること1830年代、ガラスにウランを混ぜることで黄色や緑の色彩を持つ美しいガラス「ウランガラス」が作り出されました。ヨーロッパでは、最初にウランガラスが発明されたボヘミア地方(現在のチェコ西部)が最も盛んで、その後、英国、フランス、ドイツ、ロシア、イタリア、スウェーデン、フィンランドなどで生産されました。米国でもフェントン社などの有名ガラス器メーカーが知られています。日本でもかつて生産されていたそうですよ。

 

ウランガラスのテーブルウェア

 

ウランガラスが生産されたのは1940年代まで。現代では全くと言っていいほど生産されておりません。市場で出回っているのはほとんどがアンティーク品になります。

 

なぜ美しいウランガラスが生産されなくなったのか?

原因は第二次世界大戦期からのウラン統制です。原爆の原料となったウランは戦略物資として厳しく管理され、一般に扱うことができない危険物質になってしまいました。そして、工芸ガラスへの用途は途絶えることになったのです。

 

しかし、ウランガラスは危険なものではまったくありませんでした。

現代ではウランと聞くと危険な放射性物質を連想しますが、天然のウランは安定しており原子力発電の燃料などに使われるものとはまったく別物、自然界に存在するほかの物質と同様にほとんど放射性物質を出さないんです。また、ガラスに色をつける際のウランの使用量はガラス1kgあたり約1gとほんのわずか。人体への影響はまずありませんのでどうぞご安心ください。

 

ウランガラスが制作された当時は、ウランは危険物質ではなく、美しい色ガラスを生むための、数ある技法のひとつだったのです。美しい色ガラスをつくるためにさまざまな鉱物が混ぜられますが、ウランのほかよく知られたものではクリスタルガラスに純金を用いるバカラの「ルビ―ガラス(金赤)」などもあります。

 

紫外線による蛍光現象は色ガラスを作る過程で偶然発見されました。人工的に紫外線を照射する技術が無かった当時の人々は、朝焼けや夕焼けの光に当てて蛍光色を鑑賞していたそう。なんともロマンチック!

 

 

こちらもガレ作のウランガラスグラス。

花瓶と違って薄く艶のあるガラスですが、はっきりとウランガラス特有の蛍光色を感じることができます。

 

 

通常の照明の下ではこんな感じ。こちらも淡く透明感のあるグリーンがとてもきれいです。波打つようなガラスの表情も魅力的。本品はWEBにも掲載中です。

▷ エミール・ガレ|葉に螺旋文ワイングラス(ウランガラス)

 

なかなか画像ではウランガラスの変化する色彩が伝わらないのが難点です。自然光や、室内の灯り、スポットライトや白熱灯でも微妙に色の見え方が変わってきます。

 

  

 

ガレのウランガラス作品はごくわずか。通常は使用されません。グラスはこれまで何度か取り扱いがありましたが、一点制作のアートピースでは初めてお目にかかりました。ガレはウランガラスのほか、「月光色ガラス」と呼ばれる淡いブルーに光るガラスを独自に開発したりと、ガラス自体の持つ色彩に強い興味関心を持っていました。本作は小品であるからこそ、ウランガラスの色彩をどう作品に活かすか、ガレの実験的な精神が非常によく表されています。あえて表面を酸で溶かして荒い艶消しにしているのもガレならではの狙いでしょう。植物や昆虫の描写も単純化されておらず、エナメル彩の色の組み合わせも個性的、すべてが手作りの並々ならぬこだわりを感じます。

 

ぜひギャラリーにて実物をじっくりとご覧いただければ幸いです。

ウランガラスマニアの方にもぜひ見ていただきたい逸品です。

 

  

催事のご案内

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今月末は年内最後の京都アンティークフェアです。

 

第96回 京都アンティークフェア

 

10月30日(金)・31日(土)・11月1日(日)

10:00~17:00 ※最終日16:00閉場

 

京都パルスプラザ

京都市伏見区竹田鳥羽殿町5

 

▷ くわしくはこちら

 

年三回出店、恒例の京都アンティークフェアです。

日本最大級のイベントで全国から名品たちが集結します。

ぜひご来場くださいませ。

 

作品について購入希望・ご質問ございましたら、お気軽にこのメールに直接ご返信ください。WEBフォームほか、メールやお電話でも承っております。

どの作品も一点もののアンティークにつき、店舗にて在庫数やコンディションを確認した後にご連絡をさせていただきます。

在庫状況によってはお時間を頂戴いたしますが、どうぞご了承ください。

お読みいただきありがとうございました。

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