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このメールマガジンは、かめだ年保が名刺交換させていただいた方々にお送りしています。


緑豊かな5月のはずが、先日の30度を超える暑さには驚きました。

かと思えば他県では氷点下を記録する日もあり、ますます気候変動を体感するこの頃ですが、

また猛暑になる、とも言われる今夏に向けて、皆さんはどんな対策をされていますか?

私は、帰宅してすぐにシャワーを浴びる、寝苦しい日は氷枕をして寝る、など油断せずちょこちょことケアをしています。


そんな中、先日、「地方創生EXPO」など自治体向けの見本市に行ってきました。

地域防災、地域福祉、自治体インフラ、DXなど様々なカテゴリーで全国の最新情報を知ることができるイベントで、私は2019年から毎回訪問しています。

特に、霞が関の官僚、地方自治体の首長、現場職員、地方で活躍する様々なプレーヤーによる講演は、現場の生の声を聞ける貴重な機会です。

今年は、ふるさと納税日本一で知られる、宮崎県都城市、池田宜永市長の講演がとても印象に残りました。


今回は都城市の行政運営についてと、尾道市上下水道局トップによる官製談合事件を踏まえ、

「人を育てる行政」の重要性について、私なりの考えをまとめています。

最後までお読みいただけますと幸いです。


<目次> 

1 .かめだ年保の論考  

2 .編集後記 


・・・・・・・・・・・・・ 


1.かめだ年保の論考 


池田宜永市長の講演のタイトルは

「自治体経営による地方創生の実践とAI活用」~都城フィロソフィを軸として~


自治体経営とは、ヒト・モノ・カネを活かし、市民の幸福と市の発展を実現していくこと。

そのためには民間感覚の導入が不可欠である、と池田市長は語られました。


その経営資源を分解すると、

1、「ヒト」=人財育成

2、「モノ」=組織活性化(市役所)

3、「カネ」=政策推進力


を意味します。


中でも最も重要なのは「ヒト」。つまり人財です。

人財を育て、人間力を磨くための指針として、同市では「都城フィロソフィ」が策定されています。

https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/108/3797.html  (都城市公式ホームページ)


ここには、ぱっと見ると、当たり前のような、とてもシンプルなことが30項目にわたって記されています。

しかし、この「当たり前」こそ、誰しも大人になるにつれて、つい忘れてしまいがちです。

都城市役所職員が、人としてどうあるべきか、市職員の人間力(当たり前のことを、当たり前にする)を向上させ、市民の幸福と市の発展のためにどう貢献できるかが書かれています。


2つ目の「組織活性化」についての改革は、まるでスタートアップ企業のようで驚かされました。


市長への協議事項はA4用紙1枚にまとめ、協議時間も最大15分、と取り決め。

資料の読み上げなどはなし、事前に目を通しておき、説明は文書を書いた担当職員が行う。

部課長はあくまでサポート役として同席するだけ。

「実現できるものは、15分あれば決断できる。逆に、15分で決まらないものは、どれだけ考えても実現できない。」

と言い切られていたことも印象的でした。


そして、こうした人財育成の取り組みは、3つ目の政策推進力につながり、成果として表れています。


池田市長の就任以降、ふるさと納税額は令和5年度に190億円を超え、桁違いの伸びを見せています。


同年の人口規模で見ると、尾道市が約12.6万人、都城市が約15.8万人。

ふるさと納税寄附額は、尾道市のおよそ5.5億円に対し、都城市は190億円超。

その差は30倍以上にのぼります。


都城市ではその財源を活用し、子ども医療費無償化など3つの無償化、

全小中学校へのエアコン設置など、市民サービスの充実にもつなげています。

さらに、移住応援給付金などの施策も実施され、13年ぶりの人口増に転じるなど、大きな成果を上げているそうです。


一般的に、暮らしやすいまちをつくるためには、行政サービスの充実が欠かせません。

教育、医療、福祉、子育て、交通インフラ、産業、文化、防災、環境、地域コミュニティなど、

挙げればきりがないほど、多くの分野があります。

そのすべてを司っているのが行政であり、市の職員です。


都城フィロソフィ第2部第1章には、「一人ひとりが都城市役所」という項目があります。


「一人ひとりが都城市役所」

都城市役所の職員は、様々な場で市民と接しています。

仮に100人中99人が市民のことを考えて仕事をしていても、1人の職員が市民の信頼を裏切るようなことをしてしまうと、残りの99人の職員への信頼も傷つけてしまいます。

たった1人の間違った行動が、99人がこれまで築いてきたもの全てを壊してしまうのです。

職員一人ひとりが都城市役所の主役であり、都城市役所の看板を背負っていることをしっかりと肝に銘じ、当事者意識を持ち、一期一会の精神で市民サービスに努めることで、市民に信頼される都城市役所となります。

「都城フィロソフィ30項目の解説」(都城市公式ホームページより引用)




残念なことに、尾道では、市職員による不祥事が相次いでいます。

盗撮、飲酒運転、そして、いま話題となっている市水道局発注工事をめぐる官製談合事件での幹部逮捕。


多くの職員の皆さんは真面目に頑張っておられるのに、一部の不祥事によって、市役所全体への信頼が損なわれてしまうことが残念でなりません。

それも、市の水道局トップが官製談合事件で逮捕される事態にまで至ったにもかかわらず、第三者委員会立ち上げなどについて、市長は否定しています。

これでは市民と行政が信頼で結ばれることはおろか、市民に対して、十分に説明責任を果たしているとは言い難いのではないでしょうか。


このままでは、「選ばれる自治体」になるどころか「敬遠される自治体」になってしまう危険性すらあります。


5月15日付の中国新聞「2025年国勢調査 広島県速報値」によると、尾道市の人口は120,346人。

前回2020年調査(確定値)と比較すると10,824人もの減少です。

この数字に、強い危機感を覚えます。


都城市がすべて正しいと言うつもりはありませんし、尾道には尾道モデルがあるべきです。


尾道は、850年を超える歴史を持つ町です。

人を思いやる文化、助け合いの風土、そして文化芸術を育んできた歴史があります。

北前船の商人や、文化人など、多くの人を受け入れてきた開かれた気質も、この町の魅力です。

だからこそ、人を育てる土壌も、尾道には本来備わっているはずなのです。


行政への信頼を取り戻すためにも、人を育てる市役所へ変わっていくことが重要です。

そのことこそが、尾道の未来を支える礎になる――私はそう強く感じました。



2.編集後記


「地方創生EXPO」と同じ、東京ビッグサイトの別棟では、教育関連の見本市も開催されていました。

そこでは、FC今治高校の岡田武史さん(サッカー日本代表元監督)、教育アドバイザーの工藤勇一さん(元・麹町中学校長)、大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子さんの講演を聴講しました。


不登校や子どもの自死の多さ。

これは今の日本社会が抱える大きな課題です。

そして、その背景には、日本の教育に問題があると皆さん口を揃えて話されていました。


特に印象に残ったのが、「自主性」と「主体性」の違いについてです。


「自主性」とは、自ら進んでやること。

一方、「主体性」とは自分の頭で考え、判断し、行動すること。


子どもたちは小さいころから、「主体性」を育むことが何より大切である、というお話でした。


そのためには、親や先生が過干渉になりすぎず、子どもたち同士が喧嘩しても、失敗しても、見守ることが大事で、そこには大人の“我慢”も必要です。

そうでなければ、将来、誰かにお伺いをたてないと何も決められない人間になってしまう。


自分で考え、自分で行動する人間になるためには主体性を尊重する「教育環境」が必要なのだと、とても考えさせられました。

また、そうした教育こそが、次代の国や社会を支える人材を育てていく。

もちろん、主体性を尊重する教育は簡単ではなく、管理型教育のほうが運営は楽なのかもしれません。

それでも、教育現場にはその険しい道を越える覚悟が必要なのです。


尾道はもちろん、日本全体、抜本的な教育改革が必要だと改めて感じた講演でした。



発行:かめだ年保後援会

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