1925年にフランス・パリで開催された万博は、ルネ・ラリック(1860~1945)と非常に関わりの深いものでした。
万博のタイトルは「Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes」。日本語で言うと「現代産業装飾芸術国際博覧会」となります。
なんだかお固い言葉ですが、その名の通り、芸術と産業の融合をテーマに掲げた博覧会でありました。
タイトルの一部「Arts Decoratifs」を取って通称「アール・デコ博覧会」とも呼ばれ、「アール・デコ」はそのままこの時代の美術様式を代表する象徴的な言葉となりました。
こちらがアール・デコ博覧会のポスター。
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モダンでありながら古代美術に回帰するようなビジュアルですね。
会場はセーヌ川周辺です。
フランスを中心とした世界各国のパビリオンが立ち並び、世界最新のアートの一大見本市が展開されました。
▽会場マップ。
真ん中がセーヌ川。橋を渡ってエリアを横断するイメージですね。
相当広そうです。
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こちらが会場のメインゲート。
わくわくしますね~。
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こちらはエリアの一部を見下ろした写真。
ユニークな建築のパビリオンが並んでいますね!
とても現代的な印象を受けます。
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当時も今の万博と同じく、開催国であるフランスの企業や新進気鋭のアーティストによるパビリオン、世界の国々が趣向を凝らしたパビリオンなどが建設されたそうです。
ル・コルビュジェが手掛けた建築や、バカラもパビリオンを出していますよ。
日本館もありました。
こちら。アジアで唯一の参加だったそうです。
日本文化と世界の最先端アート、遠く離れたパリの地でどのような交流があったのでしょうか。
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このアール・デコ博覧会において、ルネ・ラリックは実に様々なアートディレクションを行っています。
中でもとりわけ大きな仕事がこちら。
メインゲートをくぐり入ってきた来場者を驚かせた、巨大なガラスの噴水塔です。
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噴水塔「フランスの水源」
高さ15mにも及ぶガラス製の野外噴水塔です。
フランスの泉と河川を象徴する16種類の女神像が、16段に計128体飾られています。
日が暮れると明かりが灯され、光と水のイルミネーションで人々を魅了したそうです。
なんとも華やかで未来的なガラスのモニュメントですよね。
電気インフラが普及してまだ間もない時代、当時の人々にはとても輝いて見えたことでしょうね。
こちらが噴水塔に設置された女神像たち。
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一体一体にきちんと名前が付けられています。
女神像は塔の上部が一番小さく、下の段にいくにつれて大きくなる作り。
下から見上げた時に美しく見えるように設計されており、顔はやや下の方を見ています。
この噴水塔は万博終了後に取り壊されましたが、女神像の一部は台座を付けて販売されました。
また、同じ鋳型で作製したものを万博の記念品としてごく短い期間のみ製造していました。
この「泉の精」、実はオルフェに3体が揃っておりました。
大変貴重な作品のためWEB掲載の予定はありませんが、今回、特別にご紹介させていただきます。
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泉の精「クリュメネ」
高さ 約 57 cm
(ご成約済)
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こちらはなんと実際に当時噴水塔に取り付けられていたうちの一体。
素晴らしい保存状態で驚きます。
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「クリュメネ」と同じサイズの「メリト」。
このお品はパチネによるセピアの彩色が入っており、より表情豊かに見えます。
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「クリュメネ」「メリト」より一回り小さい作品。
塔の上段に取り付けられていた女神さまです。
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二体を並べるとサイズはこんな感じです。
右「メリト」、左「テルフューズ」
透過光が入るとガラスの陰影が浮かび上がってとても神秘的。
全体がフロスト仕上げなので柔らかな光を放ちます。
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穏やかな立ち姿、なにかを見守るようなやさしい表情。
観音様のようにも見えてきます。
「泉の精」たちがそろう機会はまずありません。
ギャラリーにて展示しておりますので、ご来店時にはぜひご覧になってみてくださいね。
作品価格など詳細についてご興味のある方はお問い合わせください。
大きな話題を集めた噴水塔のほかにも、ルネ・ラリック館や、様々なパビリオンの内装を手掛けるなど、ラリックは万博でキャリアの集大成を披露しています。
ルネ・ラリックと万博、次回につづきます!
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